「取得費加算制度」とは

公開日:2025年11月02日

コラム6

相続不動産の売却コストを抑える「取得費加算の特例」とは?

 

親から受け継いだ不動産を売却する際、ネックになるのが「税金の二重負担」です。

相続時に相続税を支払い、さらに売却益に対して譲渡所得税がかかる……。

この負担を軽減するために用意されているのが**「相続税の取得費加算の特例」**です。

1. 特例を受けられる4つの必須条件

相続税の納税者であること

相続によって物件を取得し、実際にその財産に対して相続税が課税されていることが前提です。

 

「3年10か月以内」に売却すること

相続開始(亡くなった日)の翌日から数えて、3年10か月以内に譲渡を完了させなければなりません。

 

売却益(譲渡益)が発生していること

売却価格が、取得費や諸経費を差し引いてもプラスになる場合にのみ、その利益を圧縮する形で適用されます。

 

期限内に確定申告を行うこと

売却した翌年の確定申告時期に、必要な書類(相続税の申告書の写しなど)を添付して申請する必要があります。

2. 税金が安くなる仕組み

通常、不動産を売却したときの利益(譲渡所得)は、以下の計算式で求められます。

 

譲渡所得 = 譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)

3. なぜこの特例が重要なのか?

特に親が昔に購入した不動産など、購入価格が不明であったり、現在の地価が大幅に上昇していたりする場合、売却益が膨らみ、所得税・住民税が非常に高額になる傾向があります。

「相続税を払ったばかりなのに、売却でもまた多額の税金が……」という事態を防ぐためにも、

この**「3年10か月」というタイムリミット**を意識した売却スケジュールを立てることが、賢い資産活用のポイントとなります。

【シミュレーション】取得費加算の特例による節税額

物件の売却価格: 5,000万円

親が購入した価格(取得費): 1,000万円

譲渡費用(仲介手数料など): 200万円

支払った相続税のうち、この物件に相当する分: 800万円

所有期間: 5年超(長期譲渡所得:税率 20.315%

 

A. 特例を適用しない場合

まず、通常通りの計算です。

譲渡所得 = 5,000万円 - (1,000万円 + 200万円) = 3,800万円

税金(約20%) = 3,800万円 × 20.315% = 約772万円

 

B. 特例を適用した場合

相続税の800万円を取得費にプラスできます。

譲渡所得 = 5,000万円 - (1,000万円 + 200万円 + 800万円) = 3,000万円

税金(約20%)= 3,000万円 × 20.315% = 約609万円

 

 

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